Vinos Yamazaki’s blog

蔵直(R)ワイン専門店ヴィノスやまざきのスタッフがお送りするダイアリーです。

ヴィノスの人事がなぜ、フランスに?~その①~

フランス・ブルゴーニュの醸造学校を卒業し、ブルゴーニュで醸造士として働いていた時にヴィノスやまざきのことを知り、「どうしてもヴィノスで働きたい。」と、熱いラブレターを書き、ヴィノスやまざきに入社したのが、今から20年前のこと。
「お客様のことがわからなければ、良いワインは出来ない。」という、社長の信念に共感し、渋谷店の試飲販売から始めたのが、私のヴィノス人生の始まりです。
それが、なぜ、今、人事を担当しているのか・・・
その話は、また改めて・・

 

今回、フランス・パリで行われるワインのコンテストの審査員をお願いしたいとヴィノスやまざきに依頼が来て、私が代表で参加させて頂きました。
フランスで醸造をやっていただけでなく、20年にわたり、現場でお客様のニーズを学んだというところで、現地から、私、寺田を指名していただき、審査の合間にしばらく訪れていなかったフランスの蔵元を訪問しています。

 

今日は、アルザスに行ってきました。
アルザスはドイツの国境近くにあるワイン産地。

ドイツワインのようなボトルが特徴で、言語もドイツ語。
しかし、ワインはフランスらしく辛口のワインを作っています。
直輸入を始めてから、色々なアルザスの蔵元をまわりました。

有名ワイナリーでも、ドライすぎてしまいなかなか売れなかったワインもありますが、そんな中で、ロングセラーとなっているのが、このワイン。

ボエケル・ゲヴュツトラミネール



たっぷりとした果実味(やはり、本当に美味しいワインは完熟した葡萄で収穫量を抑えて造るので、果実味たっぷりなのです。)で、しかも、高級ワインにも負けない、フレッシュでありながら、滑らかな
味わいが、ロングセラーたる所以だと思います。

ライチやバラのような甘い香りが特徴で、味わいも辛口から半甘口まであります。現地では、エスニック料理や近くに産地のあるコンテというチーズと合わせたりして楽しみます。

 

せっかくですので、蔵の中をじっくりと回らせて頂き、美味しさの秘密に迫りました。

蔵元は約400年の歴史があり、現在は弟と一緒にジャン・ダニエルさんが運営しています。

彼らが父親から継承した12年前に、昔ながらの造りであるオーガニックに変更しようと決め、今では自社畑25ヘクタールすべてがオーガニックに変わったそうです。

また彼らの蔵には昔ながらの大きな縦型の樽が50個以上あります。

これはアルザス地方では伝統的な樽で「フードル」と呼ばれており、1980年代には他の蔵元では最新のステンレスタンクなどに置き換わったそうですが(実際、温度管理や、樽自体の維持や掃除は大変な手間がかかるのでステンレスタンクに変えたい気持ちも理解できます)、彼らは伝統を守るために所有していました。

最近ではアルザスワインのワイン造りに向いているということで見直されてきており、彼らの伝統を活かすという意味を感じることができました。

そして、なんと彼らが所有しているピノ・ノワールが2022年産からグランクリュ(特級)に昇格されるとのことでした。

温暖化というあまり好ましくないことかもしれませんが、このおかげで寒い地域であるこのアルザスでもピノ・ノワールの品質が劇的に向上しています。

今回も何種類か試飲しましたが、10年前だとロゼのようだったピノ・ノワールがブルゴーニュのような深みをもったワインになっていました。

こちらのリリースは先になりますが、いつか皆さんにご紹介できるのを楽しみにしたいと思います。

まだまだ、フランスの旅は続きます。

なぜ、私が人事なのか?とか、他のワイナリーについても移動中の列車から、このブログでお話させて頂きます。

続編を是非、お楽しみに。

ワインを飲みながら、フランス買い付けの旅、ご一緒下さい。

 

寺田

【プロフィール紹介】
フランスの国立醸造学校を卒業後、ブルゴーニュ地方の超有名ドメーヌでワインの醸造経験を積む。帰国後は、生産者の想いをお客様に届け、日本でもワインをもっと気軽に楽しんで欲しいと、ヴィノスやまざきに入社。豊富な知識を活かし、買付から社員教育まで、幅広い業務を担当中。ピノ・ノワールの試飲力は、ブルゴーニュのプロからも高い評価をされている。